3D 射出成形の限界とは?

「技術は便利ですが、今のところ限界があります」と数々の受賞歴のある医療機器設計会社の社長、Tom KraMer氏(Kablooe Design)は言う。

By: Chris Newmarker

3D印刷の高速性と射出成形の信頼性を併せもつ3D射出成形はプロトタイプ製作にとって天恵であるように見える。3D印刷によってすぐに成形ツールを作り、射出成形によってプロトタイプを製作できる。

「よく“クール”で“ユニーク”な技術が誇大宣伝される場合のように、状況は少し複雑です」とKraMer氏は言う。

KraMer氏は、3D射出成形に十分な可能性を見出しており、この技術をより多く使うために隣接するエンジニアリング企業であるDynamicグループとも提携している。

「部品の試作品を作る際にあらゆるものがツールになります。製品を作るためのたくさんのツールをツールボックスに持つことができます。そして3Dプリントによる成形はその1つです」。

彼が3D射出成形の限界と考えるのは下記の2つのポイントである。

  1. 精細性

「3Dプリントで作られた熱可塑性物質が従来の金属製の金型に代わりつつありますが、プラスティックの成形ツールには精細性の点で限界があります」とKraMer氏は言う。例えば、熱溶解積層法によって作られたツールによる成形では0.3インチの薄さが適しているとKraMer氏は考えているが、壁の高さを懸念している。「薄さや細部のディテイルは3Dプリントでは表わすことができません」。

  1. 光沢

例えば、中身を見られるようにポリカーボネートのパーツを製作する場合などに部品に光沢をつけることは重要である。金属やアルミニウムの成形ツールはファインカッターによって光沢をつけバフ仕上げをすることができる。3D射出成形の場合、プラスチックの成形ツールには追加でクリアコートが必要になるが、それによって細かいエッジやコーナーが失われてしまう。「この過程は労働集約的です。ツールの上に光沢のあるクリアコートをスプレーした場合、微細なコーナーなどの重要な特徴を失ってしまうことになる」。

しかし、精細な部分や光沢が必要ない場合は、3D射出成形は素晴らしい候補となる。「アルミニウムの成形ツールでは6,000ドルかかったところが、3D成形ツールでは1,000ドルしかかからないかもしれません。しかも数日を節約することができます。このようなことは多くの人がわかっていないトレードオフです。自分の目的に合わせてすべての手段を評価し、何が最適なツールかを決定する必要があります。ツールボックスから何を選びだすかが重要なのです」。

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