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モバイル医療アプリ作成者は気付かぬうちに法を犯しているかもしれない

欧州顧客向けのモバイル医療アプリ開発者は、ソフトウェアが医療機器に関するCE規制の対象となることに気付いておらず、その結果、法的責任に直面することがよくある。

現行の医療機器に関する指令に基づき、意図的な医療面の利点を提供するソフトウェアは医療機器に対する現行の標準及び規制の対象となる。これはiPhoneまたはAndroid端末向けに医療目的のアプリを販売するモバイルアプリ作成者にも適用される。ベンダーが(フィットネスアプリと対照的に)意図的な医療面の利点を備えたアプリを販売する限り、そのソフトウェアは医療機器向けのCE指令に基づきすべての要件を満たす必要がある。

主な問題は、自社製品が指令の要件を満たしていない場合、法律に違反することになるということに、欧州でソフトウェアを販売するアプリ作成者が気付いていない点である。「アプリ開発者は自分の製品が欧州で医療機器とみなされることを往々にして知らない」と、モニタリングソリューションの医療技術企業、Getemed社プロジェクト長のTilo Borchardt氏は言う。

例えば、スマートフォンを使用して患者の脈拍、体温、その他医療的な数値をモニタリングするアプリで医師が使用できるものは、欧州で医療機器の規制が適用されるとBorchardt氏は指摘する。「アプリが医療面の利点を提供するものではないという免責条項がないと、開発者が責任を負います」とBorchardt氏は言う。

さらに、ソフトウェア開発者は、端末が死亡やケガの一因となった場合、それが間接的でも、法的責任を負うことになる。「ソフトウェアが端末に指示を送り、それが故障や装着者のケガを引き起こした場合、ソフトウェアの作成者の過失となり、法的責任を負うことになる」と、Quocircaのアナリスト、Clive Longbottom氏は語る。「そういった場合、CEは端末ではなく『システム』を見て、すべてがより大きな全体として捉えられるように確約する必要があるだろう」。

指令に関する混乱の多くは、CE指令の不明瞭な表現に起因しているとBorchardt氏は言う。「現行の規制はあいまい過ぎるので、アプリ作成者は単に、何か事件が起こるまで、または競合企業に告発されるまで、法的責任を負うことを知らないことがある」(Borchardt氏)。

医療機器メーカーは、製品に関連するソフトウェアの不具合の責任を負うため、ソフトウェア開発者が規制要件を満たすことを確認する。

しかし、スマートフォン向けアプリの開発者は、法的な助言を求めた場合も、法的指針を知らないことが多い。

これは、Apple及びAndroidスマートフォンのベンダーはストアで販売されるアプリに関連する一切の法的責任について免責条項により保護されているため、アプリ作成者に欧州やその他市場における製品の合法性について警告する気がほとんどないためである。

「医療機器メーカーは要件についてソフトウェア開発者に通知するが、スマートフォンメーカーはそうする必要があるわけではない」と指摘するBorchardt氏

さらに、スマートフォンは医療機器製品とみなされておらず、端末に読み込まれたソフトウェアが医療目的に使用された場合の法的責任から一層保護されている。

「スマートフォンはメーカーによって医療機器とみなされていないが、開発者は認定を要する医療製品としてスマートフォンを使用するアプリを設計している」ともBorchardt氏は指摘する。

また、異なるEU加盟国によって規制の解釈も異なり、より厳格な義務があることもよくある。

CE要件に加え、EU諸国ではアプリ作成者が従わなければならない異なる規制があることが往々にしてある。米国では、医療用モバイルアプリに関してCE規制よりも明確にFDA要件が定められている。年初に、医療用モバイルアプリは未規制のままとなり、アプリはモバイルメディカルアプリケーション(MMA)向けFDA規制の対象となる端末に含まれないとFDAは明らかにしている。                                                                       

「FDA指針はずっと明確かつ完全であり、CE規制は汎用的過ぎます。CEは医療機器についていくつかの指針を示しているが、医療用アプリは対象となっていない。指令の改善に取り組んでいるが、組織は非常にお役所仕事なので、時間がかかることだろう」(Borchardt氏)

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