MEDTEC Online

IVD企業が現在直面している4つの規制に関する課題

IVD企業が現在直面している4つの規制に関する課題

体外診断 (IVD) 企業は不確実性に満ちた複雑さを増す一方の規制環境で悪戦苦闘している。

By: Allyson B. Mullen

体外診断 (IVD) 企業は今日、自社製品都市圏の FDA 規制に関連する数々の課題に直面している。そしてこれら多くの課題は、「不確実性」という一言に要約することができる。

IVD企業にとって多くの規制にまつわる課題は、進化および変化し続ける問題に関連している。明確な規制要件があるように見える場面でも、FDAがこれら要件をどのように執行するのかまだ分からない、あるいは常に合理的に予見可能であるとは限らない。本記事では、IVD企業が現在直面している4つの重要な規制の課題を論じる。

1.  LDT (laboratory-developed test; 薬事未承認検査法) の規制。

20年以上にわたり、FDAはLDTに対して規制権限を持つとして行使してきたが、それら検査には施行の自由裁量 (enforcement discretion) を選択してきた。

しかし近年、FDA当局者はLDTの監督が必要であると公言し、当局はこのトピックに関するガイダンスを発表する計画であると述べている。

実際、今年4月の食品医薬品法研究協会の年次会議で、CDRH (医療機器・放射線保健センター) ディレクタ、Jeffery Shuren氏は、ドラフトガイダンス文書に対する審査が現在行われていることを示唆した。

しかし、一様に息をひそめてLDTガイダンス最終版のリリースと実施を待つべきではない。FDAはいずれにしても、LDT規制を意図するドラフトガイダンス文書リリースの少なくとも60日前に議会に通知を提出する必要がある。

ドラフトは大きな批判を呼び起こすことが予想され、プロセスがさらに延長されることになるだろう。LDTガイダンス文書の最終版が発表されたとしても、企業が準拠を達成するために猶予期間が与えられる可能性が高い。

さらに、ドラフトガイダンスの発表でさえも、LDTの提供者が自身のサプライヤに対してどのような管理を行うべきか、といった疑問や新たな課題を生むことが必至である。

LDT分野における規制環境が今後どのように変わるかということをしっかり理解しないと、企業は規制の未来に向けて計画を立てる方法が分からず、未知の課題に直面するだろう。ドラフトガイダンスの発表は、間違いなくこれらの不安を高めることになる。

2.  RUO/IUOメーカーに対する強制措置。

2013年11月25日、CDRHはRUOガイダンスと呼ばれる『Distribution of In Vitro Diagnostic Products Labeled for Research Use Only or Investigational Use Only: Frequently Asked Questions (研究・調査専用と表示された体外診断製品の販売: よくある質問)』ガイダンス最終版を発表した。

このガイダンスは、自社の製品が研究専用 (RUO)、調査専用 (IUO)、またはIVD用として適切に表示されているかを企業が判断できるようにすることを意図している。RUOおよびIUO製品はLDTを開発している研究者および研究室に一般的に販売されている。

RUOガイダンスは製品がRUOまたはIUOとして適切に表示されているか否かを評価するときにFDAが状況全体を確認することを強調している。

このアプローチはFDAの従来の実施アプローチと一貫している。しかし、RUOガイダンスに含まれる規制をFDAがどのように解釈するかは未知である。例えば、ガイダンスは「RUOと表示される製品のみを生産するメーカーで、その営業部門が研究または臨床研究を行わない臨床検査室に対して定期的に営業を行う場合、その製品が臨床目的に使用されるという意図を表していると見なされることがある」と述べている。

FDAが明確にしない限り、FDAがどのようにこれらの制限を実施しようとするか分からない。FDAがどのようにRUOガイダンスを実施するかを理解しないと、RUOおよびIUO製品のメーカーも自社製品が準拠しているのか否かが分からない不確実な状態に陥ることになる。

3. 新技術と先進技術の規制。

これまで、診断検査は比較的シンプルであり、免疫測定法など、確立済みの技術を利用していた。しかし、次世代シーケンサー (NGS) およびその他の新しい遺伝子検査が、診断検査において役割を担う場面が増え始めている。一方で、これらの新しい技術がどのように規制されるかは明確ではない。

1つの検体または疾病について1つの結果を示すこれまでの診断検査とは異なり、NGSの結果は診断および予後情報に関して無限の可能性を持っている。さらに、新しい変異型が特定されるにつれ、患者の診断とケアをガイドするために遺伝子配列を使用し続けることができる。しかしこの柔軟性は、凝り固まった規制体系にぶつかる。

FDAにLDTまたはRUOとして規制を受けないようにすることを含め、企業には多様な規制の経路があることを踏まえ、企業に新しい検査の市販前認可 (premarket clearance) を自主的に受けさせるためには、FDAが企業にこれら新興技術の規制について計画があることを信用させる必要がある。特に、FDAは過度に面倒または不確実なものではない、明確な規制経路と期待される条件があるということを示し、企業を説得する必要がある。

4.  IVD市販前審査提出に関する一貫性のない要件。

多くのIVDメーカーにとって、認可または承認への道は、 FDAを製品および技術について教育する必要性を含め、変化する要件と遅れによって台無しにされてきた。過去数年間、特に510(K)届に関して、FDAの要件は増加し、これまでよりも多くのデータと詳細が要求されるようになった。この変化によって、市販前審査提出要件が不確実になった。

さらに、IVDの審査提出に対するFDAのデータ要件は常に合理的と言えるものではなくなった。液体クロマトグラフィー質量分析法 (LC/MS) がその一例である。LC/MSは、従来の免疫測定法のように代謝産物の干渉問題がないため、臨床診断ラボで人気が高まっている。

LC/MSと免疫測定法の技術における基本的な科学的差異を踏まえれば、一部の検査は新しいLC/MSアッセイには要求されないというのが論理的であるように見える。しかし、LC/MSアッセイに対する代謝産物の干渉検査など、アッセイに対して科学的に意味がない検査をFDAが要求した例が複数ある。

さらに、FDAは検体に標準化した方法やカットオフ値がないときに悪戦苦闘している。これらの問題は510(k)認可の取得を目指す企業にとって困難を生じる可能性があり、企業がFDAの要件を予想しようとしたり、FDAの質問に回答したりしようとする中で途方に暮れてしまうことになるかもしれない。

企業が診断、RUO、またはLDTのどの事業を行うかを決断することは、ビジネスの観点からもすでに充分に難しい問題である。規制の不確実性がビジネス上の意思決定に加わったとき、IVD企業は気が遠くなるような困難な場面に直面することになる。FDAがどのようにLDTを規制し、RUOガイダンスを施行するかは、時間が経たないと分からないのである。


著者:Allyson B. Mullen is an associate at the law firm of Hyman, Phelps & McNamara, P.C., where she provides counsel to medical device and IVD manufacturers.

カテゴリー: