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新しいFDA「Q-Sub」ガイダンス文書:申請前プログラムおよびFDAミーティング

新しいFDA「Q-Sub」ガイダンス文書:申請前プログラムおよびFDAミーティング

2014年2月、FDAはクラスIIおよびクラスIIIの両機器の製造業者に適用される最終ガインダンス文書「医療機器申請に関するフィードバックのリクエスト:申請前プログラムおよび食品医薬品局保健社会福祉省 (FDA) 職員とのミーティング」を発行した。この重要な文書は、新規又は変更機器に関する申請をFDAへ提出する前又は提出後にFDAからのフィードバックを求める企業に適用される。FDAの医療機器の定義には、体外診断機器(IVDs)、スタンドアローンソフトウェア、モバイルメディカルアプリケーション(アプリ)などが含まれているため、この文書は多種多様な日本企業に影響するといえる。

背景

直接米国規制機関からのフィードバックを求めるため、FDAへの申請書送付前または後に医療機器およびIVD企業が自発的にFDAに連絡をとる理由は様々である。それらの理由には以下が含まれるが、これに限定されない:

  • 510(k)、De Novo、PMAなどの機器申請のFDA審査中に発生した質問・不備・状況へ回答する前に、FDAからの説明およびフィードバックを求めるため
  • 企業が、新しいタイプの医学的用途または技術に対する臨床研究、動物実験、非臨床試験の企画段階にいるとき、FDAからの早期フィードバックを受け取るため
  • 今後のIVD申請において、新検体、新技術、新しい医学的適応、複雑な統計的質問、またはその他確認を必要とする問題がある場合に、FDAのフィードバックを求めるため
  • 治験医療機器の適用免除(IDE)の下(米国内又は米国外での)実施が計画される臨床試験のリスクレベルが、有意リスク(SR)か無有意リスク(NSR)かFDAの判断を求めるため
  • 企業で開発している医療機器技術の進歩及び/又は今後の複数の申請に関する企業計画についてFDA申請審査官に知らせるため
  • 特定の機器申請に関する早期コラボレーションミーティングのため

FDA審査プロセスを通して新しい技術を成功裡に導入するための多くの課題に対し、上記のような問題について企業がFDAからフィードバックを受領するプロセスをより良く管理するためには改善が必須であった。2013年7月、この問題についてFDAはドラフトガイダンス文書を発行した。この記事で論じられている2014年の最終ガイダンス文書は現在、ドラフトガイダンス文書とこの問題に関する以前のFDAガイダンス文書「IDE前プログラム: 課題と回答 -ブルーブックメモ D99-1」(1999年3月発行)の両ガイダンス文書に優先している。

Q-Sub」の定義

FDAフィードバックを自発的に求める場合(上記状況のほとんどの場合を含む)、企業から正式な文書パッケージがFDAに提供されることを新しいガイダンスは要求している。FDAからのフィードバックを求める場合に企業から提出される正式な文書パッケージを説明するために、FDAは「Q-Sub」(「Q-Submission」)という新しい用語を作った。正式な文書パッケージがFDAに受領された際、最初のQ、暦年の2桁の数字に続き、その年に受領されたQ-Subsの数を表す4桁の数字で唯一無二の識別番号が付与される。例えば、2014年に7番目に申請されたQ-Subには、番号Q140007が付与される。Q-SubプロセスはFDAに要求されているものではないが、FDAへ申請を送付する前にFDAからの特定のフィードバックを求める企業にとっては好都合かもしれない。

新しいガイダンスには、Q-SubがFDAからのフィードバックを受領するための適切な方法ではない場合の状況が多く記載されている。以下は、他のフィードバック方法が適用される幾つかの例である。

  • 最近発行されたガイダンス文書の確認
  • FDA政策及び手順に関する一般的な質問
  • 新しい機器に関する規制確認の要望
  • 新しい機器申請に関するFDA判断への不服申し立て

日本人がFDAとの直接ミーティングに出席する場合のQ-Subの例

FDAフィードバック方法

医療機器企業はFDAからのフィードバック方法を次の選択肢からリクエストする:FDA本部にて直接ミーティング、電話会議、FAX、又はEメール。しかし、使用されるフィードバックの方法についての最終決定はFDAが下す。フィードバックの方法として、直接又は電話でのミーティングがリクエストされた場合には、希望するミーティング開催日や時間を第三候補までFDAに提案することができる。

Q-Subの準備

FDAは日本企業に直接適用されるこのステートメントを新しいガイダンス文書に含めている。

Q-Sub は英語で書かれていなければならない。 外国語で書かれている資料には、正確で完全な英訳が添付されていなければならない。

さらに、各Q-Subに対して「eCopy」(電子コピー)をFDAに送付しなければならない。この問題に関して、eCopyの標準、品質、ロジスティックスなどを説明する別のFDAガイダンス文書が以前に発行されている。

もし直接ミーティングが日本企業により依頼された場合、FDAミーティングに参加する日本居住者はそれぞれ、FDAウェブサイトの「外国訪問者データリクエストフォーム」を記入しなければならない。これらのフォームは予定されているミーティングの少なくとも10日前にFDAに提出されなければならない。コンサルタント、米国子会社スタッフ、その他の者に企業を代表してミーティングに参加するよう依頼することも出来る。

Q-Subの内容

FDAはQ-Subの内容を明確に記載し、次の情報の幾つかを含めるよう提案している(Q-Subの内容による):

  • カバーレター(Q-Subの理由を含む)
  • 目次
  • 機器の説明(写真、ビデオ、図面、サンプル、作用メカニズム、ユーザーインタフェース、他機器との相互作用、予想される比較同等機器などの多数の詳細を含むかもしれない)
  • 医学的「使用目的」/「使用用途」(適用症又は医学的条件、対象患者のタイプ、使用の頻度や方法など)
  • 以前のFDAとのインタラクション(機器に関連するその他のミーティング又は申請)製品開発概要(今まで計画及び/又は実施された臨床・非臨床試験の一般的概要)
  • 性能テスト(今まで集めた実際のベンチ及び/又は動物及び/又は臨床データ)
  • 臨床研究プロトコル(被験者母集団、方法、統計的分析などの詳細を含む)
  • 特定の質問(企業がFDAからの特定のフィードバックを要請している項目)
  • 希望するフィードバックの方法(上記)

適切なQ-Subの質問

FDAガイダンス文書は、FDAに提供されるQ-Sub資料の様々なタイプにおいて、FDAに尋ねるのに適切な質問と不適切な質問例を数多く提示している。幾つかの適切な質問例は以下の通りである:

  • 一次及び/又は二次臨床研究のエンドポイントは、提案されている使用用途に対し適切であるか?
  • 臨床試験設計案や選択された管理グループは適切であるか?      
  • 提案されている臨床試験サンプルサイズの計算方法や統計的分析計画の関連要素は、提案されている臨床研究に対し適切であるか?
  • FDAのG95-1ブルーブックガイダンス及びISO 10993-1で定義されている接触組織のタイプ及び時間のために、推奨されている生体適合性試験に加え、必要になるかもしれない機器特有の生体適合性試験は何か?
  • 通常認知されている規格とは異なる代替試験方法案にFDAは同意するか?
  • 提案する動物試験方法は新しい機器を試験するのに適切であるか?
  • 自身のソフトウェアに対しては、「中等度の懸念レベル」が適切な懸念レベルか?
  • 人的要因の評価へのアプローチは、機器の使用目的に対し適切であるか?
  • 今後の510(k)申請において、新規機器と比較するために使用する予定として提案した比較同等機器について、FDAは懸念を持っているか?

 

FDA審査プロセス中のQ-Subの使用

新しいガイダンスでは、企業が機器申請書をFDAに送付した後の「申請問題ミーティング」のためにQ-Subシステムを使用することを許可している。しかし、多くの申請問題は審査官との話し合いにより解決される。したがって、FDAはQ-Sub「申請問題ミーティング」を以下の状況に限定している:

  • 機器に関するFDAの懸念に回答するため(つまり、機器申請においてFDAに特定された不備について回答するため)に計画されたアプローチについて協議するために直接ミーティング(FDAの管理職が参加した電話会議)を要請している場合
  • 企業が、新しい機器を評価しているFDA審査チームによる詳細な準備を必要とする(そのフィードバックにはFDAマネジメントのインプットが必要になると思われるため)フィードバックをFDAにリクエストしている場合

まとめ

FDAは自身の活動方法を標準化し続けており、そのため新しいルールが開発されている。医療機器企業がFDAからのフィードバック及び/又はFDAとのミーティングを望む多くの状況において、FDAとのインタラクションに関するこれらの新しいルール(Q-Subプロセスなど)を理解し正しく行うことが重要である。この新しいガイダンスは、新しい機器がFDAを通過し米国市場に出ていくための手助けとなるものである。


​著者

ケン・ブロックはFDA品質システム、FDA査察、および510(k)審査などの豊富な経験を持つFDA規制エキスパートである。有限事業組合ケン・ブロックコンサルティングは東京とダラス近郊に事務所を構えている。ブロック氏は8年以上にわたりFDA問題について日本の企業を支援しており、FDA規制において国際的に認知されているエキスパートである。

日本での医療機器専門学会やカンファレンスなどでの講演に加え、MEDTEC Europe、MEDTEC France、その他2014年に催される医療機器カンファレンスなどにもFDAエキスパート講師として招待されている。新しいFDAガイダンス文書やその他FDAの問題についての説明および支援が必要な場合も、随時相談に応じている。

ケン・ブロックコンサルティングは、来るMEDTEC Japan 2014のブース番号606で同社のサービスについて紹介する。

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