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「医療機器の再審査結果に関する体系的分析」:医療機器産業研究所リサーチペーパー

「医療機器の再審査結果に関する体系的分析」:医療機器産業研究所リサーチペーパー

財団法人医療機器センター付属医療機器産業研究所の中野壮陛主任研究員が『医療機器の再審査結果に関する体系的分析』に関するリサーチペーパーを発表した。

再審査報告書を用いて、過去10年間に承認された医療機器のうち、承認時と再審査時の比較が可能な24品目を対象に、医療機器の再審査結果に関する体系的分析をおこなったもの。

分析結果によると、承認から再審査結果までの日数は、①承認から使用成績調査の終了日までの期間が平均1043.2日、②使用成績調査の終了日から再審査結果通知が行われるまでの期間が平均 1547.7日、③承認日から再審査結果通知日までの日数は平均 2590.9日で、使用成績調査の終了日から再審査結果の通知日までの期間は年々減少傾向にあるが、現状でも 500日程度かかっており、1/3の医療機器は、再審査結果通知日までに販売を終了していたとのこと。

承認時と再審査時を比較すると、市販後の再審査時の方が安全性が高まり(不具合等の発現率が

下がり)、有効性も高くなっているという結果となり、中野氏は、「ラーニングカーブの存在」、「患者セレクションバイアスの存在」、「使用成績調査データの信頼性の課題」が影響していると推察している。

一方、約8割の医療機器は行政からの指導(不具合報告の徹底、不具合情報を添付文書へ反映させるなど)で、市販後に得られた情報を適切に臨床現場へフィードバックさせるための方策についてであるが、承認から再審査結果通知まで平均7年程度(現状でも4年以上)を要していることを考えると、再審査結果が臨床現場に役立つ状況となっているかは疑問点が残るという。中野氏は、「医療機器のライフサイクルを踏まえた上での運用が必要」としている。

不具合報告制度もある中で、企業側の努力がより一層必要である一方、不具合報告制度を徹底し、有効に運用すれば再審査制度による評価や指導を不要とすることも出来るのではないかとしている。

また、安全性等の再確認を行うという再審査制度の趣旨を踏まえると、臨床現場に最新の情報を返すことが優先されるのではないかと考えられ、不具合報告制度をより活用しながら、再審査制度については、指定すべき必要最小限の医療機器の要件などの運用方法の改善などを検討することも必要ではないかとしている。

また、1年間あたりの登録症例数が平均219.4例と、医薬品に比べて極めて出荷数が少ない医療

機器において、使用成績調査にどの程度費用をかけることができるのかは大きな課題となる。「再審査指定がなされた医療機器は再審査期間中だけでも保険で何かしらの補正加算を付けるなどのサポート機能が出来ないかなども今後検討する必要がある」と指摘している。現在、C区分による保険適用のうち原価計算方式の場合は市販後調査の費用を計上することも可能であるものの、多くは市販後調査の費用を保険で計上できていない。明確な補正加算要件を創設することで、企業側の負担を軽くすることについても検討の余地があるとしている。

本リサーチペーパーのサマリー版医療機器産業研究所のHPで閲覧可能だが、完全版は同研究所への研究協力者を対象に進呈している。同研究所の研究活動への協力・支援制度についてはHPを参照下さい。

 

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