ホームICT(ヘルスケア)サービス市場:拡大の見通し

<ホームICT(ヘルスケア)サービス市場の拡大期待、富士キメラ総研調査結果>

市場調査に50年の実績のある株式会社富士キメラ総研は、今年1月~4月にかけて、デジタル家電メーカーと通信キャリアなどが注目する新たなホームICTサービスの国内市場を調査した。

表1: ホームICTサービス市場規模 (画像クリックで拡大)

調査報告書「2013ホームICTサービス市場の現状と将来展望」によると、ホームICTサービスの市場規模は「エンターテインメント」分野が1兆2,686億円(2012年度)と先行しており、ヘルスケアやネットスーパーなど「生活支援」分野は1,661億円(同年度)とまだ市場規模は小さい。

しかし今後、医療費の高騰などを背景に、家庭でのヘルスケアサービスとしてICTサービスの活用が期待され、2017年度の「生活支援」分野の市場規模予測は12年度比約190%増の3,152億円、と「エンターテイメント」分野の伸び率約133%と比べて拡大期待が高いのがわかる。(表1)

これを「ヘルスケアサービス」に限定してみると12年度302億円から140%アップの421億円が17年度に予想されている。(表2)

表2: ヘルスケアサービス市場規模予想 (画像クリックで拡大)

主な参入企業の顔ぶれとしては、NTTグループ、KDDIグループ、ソフトバンクグループなどの通信キャリア/ISPは、ユーザーを囲い込むために幅広くICTサービスに取り組んでいる。

NTTグループのNTT東日本/NTT西日本が電力見える化サービス市場に参入、家電のリモートコントロールサービスの提供も検討する。

NTTドコモはオムロンヘルスケアと提携し、スマートフォンと健康機器を連携させ、NTTぷららは「ひかりTV」の多チャンネルサービスを主軸に提供する。KDDIは高齢者見守りサービス「安心ナビ」を提供しており、ソフトバンクモバイルは「みまもりカメラ」でホームモニタリングサービス市場に参入し、このサービスと通信サービスをセットで提供する。
 

家電メーカーでは、自社製品にICT機能を実装し、機器連携やエネルギー管理、リモートコントロールなどの付加機能を提供している。自社製品間のリンク機能を設定してユーザーを囲い込み、さらにスマートフォンも取り込んだ「スマート家電」化の取り組みも活発化している。

またTVのネットワーク接続機能を用いてサービスプラットフォームを構築し、多様なコンテンツプロバイダーと連携してサービスの充実を図っている。TVの製品単価下落による収益性の低迷が続く中、このような機能拡充により製品訴求力/製品付加価値の向上が見込まれるほか、サービス提供による収益の確保が期待される。
 

ソニー、パナソニック、東芝など大手メーカーが独自のネットワークを構築してスマート家電サービスを創出しようとしている。その他、電力会社、ハウスメーカー、住設機器メーカーさらに自動車メーカーなど参入企業は多彩を極める。



ヘルスケアサービス分野は、「健康支援サービス」と「女性向けヘルスケアサービス」に大別されるが、前者のサービスは健康意識の高まりに伴い拡大し、特定健診・特定保健指導の対象となる40代の人口比率の増加、端末自体の機能拡充による利用者の増加に伴い、ヘルスケアサービス市場を牽引し拡大すると予測される。一方、女性向けヘルスケアサービスは主要ユーザーの利用割合は拡大を続けるものの、長期的には20−30代の人口減少に伴い、伸びは鈍化すると予測する。


本調査は、富士キメラ総研専門調査員による参入企業・団体などへの直接取材を基本としたヒアリング調査を実施したほか、同社の社内保有データベース、並びに外部関連情報などの補足活用により総合的かつ客観的な調査分析を行ったもの。

 

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