MEDTEC 会議を前に: 大震災からの教訓(テルモ、片山氏)

「MEDTEC Japan2011」(医療機器の設計・製造に関する展示会、6月29日・30日にパシフィコ横浜で開催)の国際会議の座長を務めるテルモ研究開発センター統轄付担当部長の片山國正氏に会議を直前に控え、ご意見を伺った。

 

1.オープニングスピーチで一番伝えたいことは? 

国から日本経済の牽引役にと期待されている医療機器産業であるが、実際には多くの課題を抱えており、それに対してどう取り組むべきかの考えを示し、2日間にわたるセミナーの緒言としたい。 

2.東日本大震災以降の日本の医療機器業界のあり方は?

今回の大震災に際しては、医療行為を維持して行く上での医療機器の安定供給について、幾つかの課題が明らかになった。医療機器業界としてこの課題について分析し、将来への対策の検討を進めている。その中には製造場所、材料調達、在庫場所、サプライチェーンなどの問題の他、災害に強い医療機器開発、 生命維持装置の機能・操作の標準化など開発によって解決すべき問題もあり、新しい医療機器の開発にもつながるものと考える。 

3.現在、医療機器業界が抱える一番の課題は? 

革新的医療機器を開発する最上流と、改良改善の多い医療機器の開発を迅速に進めることと革新的医療機器の治験・承認審査を迅速に進めることの最下流の2つの課題と考える。最上流とは、米国のように医療現場で医師と技術者が一体となって医療機器の開発が出来ることであり、そのためには人材育成、規制緩和などが必要である。

一方、最下流とは企業主導による未承認医療機器による臨床評価、レギュラトリーサイエンスなどによる規制面での改善が必要と考える。 

4.今後、医療機器業界はどのように変化していくか?

二千年以上にわたる薬による医療に比べ、医療機器による診断・治療は僅か数十年の歴史しかない。しかし、副作用がなく、結果が明確な医療機器による非薬物治療は今後、医療の中心になってゆくものと考える。

その核となる技術は、エレクトロニックス技術、通信・ネットワーク技術であり、それを動かすソフトウエアが重大な役割を担うこととなる。低侵襲化、小型化、ワイヤレス化が進む中で、遠隔医療や植込型医療機器が発展してゆくものと考える。患者の安全性が最終的に求められるものであるが、そのためには医療機器の電気的・機械的・生物学的安全性の他、データセキュリティ、プライバシーの確保が大きな課題となる。 

5.今まで開発された医療機器の中で、一番画期的なデバイスは何か?

レントゲン、CT、パルスオキシメータ、心臓ペースメーカー、ICD

 

注) ロングインタビューはこちらでご覧頂けます。

 

片山氏は、国際会議初日(6月29日、水曜日)にオープニングスピーチ(午前9時15分〜30分)をされます。

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片山國正氏

テルモ研究開発センター統轄付担当部長。

1969年 日本光電工業(株)入社。 心電図自動診断、リアルタイム不整脈解析、重症患者監視システムの研究開発に従事。1991年 テルモ(株)入社。医療機器開発部門責任者、心臓ペースメーカー 開発国家プロジェクト責任者などを歴任し、現在、研究開発センター医療機器開発部門のアドバイザー、電子情報技術産業協会(JEITA) 医用電子システム事業委員会副委員長、ME標準化・技術専門委員会委員長、医機連(日本医療機器産業連合会)医療機器安定供給タスクフォース主査、5か年戦略WG標準化推進SWG主査などを務める。

 

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