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MEDTEC 会議を前に: 人工心臓ガイドラインが役立った理由(産総研、鎮西氏)

MEDTEC 会議を前に: 人工心臓ガイドラインが役立った理由(産総研、鎮西氏)

「MEDTEC Japan2011」の国際会議で「医療機器ガイドライン」について講演(6月29日、水曜、午前10時10分〜50分)される産業技術総合研究所の鎮西清行氏に、会議を直前に控え、色々とご意見を伺った。

 

「医療機器におけるIEC/ISO規格動向」で一番伝えたいことは何でしょう?
 1970年代の排ガス規制は,結果的に日本の自動車産業を強化しました。厳しいと言われる日本の薬事規制がなぜ、産業競争力の強化につながらないのでしょう? 前者は技術規制、後者は業規制との違いがあります。業規制ではイノベーションドライバにならないのです。

医療機器ガイドラインは,薬事規制の規制項目を業規制から技術規制に置き換えることで、ハードルを明確にして規制がイノベーションドライバとなることを目指したものです。

しかし、ガイドラインが役に立つための条件もだんだん判ってきました。ガイドラインだけでは足りないのです。人工心臓ガイドラインが役立ったのは,この分野の開発がオープンだったことが大きい。関係者の間で,治験の状況などについて情報が共有されていて、ハードルも明確化してコンセンサスができあがっていた。今後の医療機器と医療サービスの開発のあり方に一石を投じたいと思います。

東日本大震災以降の日本の医療機器業界はどうなるでしょう?政府の成長戦略の要として革新的医療機器への開発推進は進んでいくでしょうか?
 エネルギー関連は否応なしに構造変化を迫られていますが,それが医療分野に及ぼす影響は限定的でしょう。

震災はこの業界にかぎらず,古典的製造業の衰退をもたらす可能性があると考えています.

ものつくりを強調する産業成長戦略から,ものつくりを内包するサービス産業として見方を変えるべきとおもいます。

現在、医療機器業界が抱える一番の課題は何でしょうか?
非常に危惧しているのが,いままで比較的強いとされてきた診断系デバイスでイノベーションから遅れつつあることです.

今後、医療機器業界はどのように変化していくでしょうか?
 情報サービスとの結びつ、.医療機器とヘルスケア情報サービスの結びつき、インプラントなど。今までその種の発想がされてこなかった医療機器のインテリジェント化。

今まで開発された医療機器の中で、一番画期的なデバイスは何でしょうか?
やはり、X線だとおもいます。
 

鎮西氏は、会議初日(6月29日水曜日)午前10時!)分〜50分に「医療機器ガイドライン:日本初の革新的医療機器のために」と題した講演をされます。


鎮西 清行氏

独立行政法人 産業技術総合研究所
ヒューマンライフテクノロジー研究部門
治療支援技術グループ グループリーダー

平成5年より工業技術院機械技術研究所、平成13年より現職。平成16年に医薬品医療機器総合機構医療機器審査部。専門は医工学。

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