九大、産官学連携の先端医療センターを開設

Kyushu_univ.hospitalガンなどに対する先端医療の研究開発から臨床試験までを一貫しておこなう日本の国立大学では初となる研究開発施設が来年4月、福岡市東区の九州大学病院内にオープンする。この「先端医療イノベーションセンター」は、九州大学の有する最先端医療技術と、福岡県が展開する新成長産業クラスター政策、そして企業の有する技術や事業化へのノウハウを集結することで、臨床研究のスムーズな推進、臨床導入の橋渡し、治験を含む臨床試験の支援、教育訓練による人材育成、などをめざす。 従来は複数の施設で研究開発と臨床試験を別々に行っていたため、製品実用化までのコストがかさんでしまっていたが、一カ所の施設で製品化までを実現できれば、コストだけでなく時間も大幅に圧縮が可能となるため、「いわゆるディバイス・ラグが解消される」と橋爪誠センター長(九大大学院医学研究院教授)は語る。 センターには、技術開発と臨床研究を進める「プロジェクト部門」、医薬品や医療機器の開発期間とコストを圧縮し実用化を加速化するための「臨床試験部門」、これらの先端研究・臨床試験を通じて人材育成等を行う「教育研修部門」、各部門を横断的に支援し産官学連携、リエゾン、ベンチャー、管理事務等を担当する「渉外企画部門」が置かれる。すでに稼働している大学病院内の「高度先端医療センター」や橋爪教授が理事長ををつとめる「ベーダ国際ロボット開発センター」などとの交流も活発におこなわれる予定。 「先端医療イノベーションセンター」の研究テーマは低侵襲ロボット医療のほか、ナノドラッグデリバリーシステム、臓器再生、免疫細胞を増殖する細胞療法開発など。施設は6階建て延べ床面積5,000㎡。1階に福岡治験ネットワークの支援室、産学連携窓口、教育研修センター、2階にロボット関連などのインテリジェント手術室、3階に治験病棟、4階に外来診察室、細胞療法室、CPC 施設、5階に医薬品等製剤化・インキュベーション研究室、6階に企業などの共同研究がおこなわれる施設が設置される。 また、国内だけでなく将来的にはアジアを一つの地域ととらえ国際共同治験を実施し、海外との共同研究を進めることで、先端医療開発に関する国際的拠点となることを目指している。 「日本の臨床試験状況は年々変わりつつあり、現在では国際共同試験を通す形でないと企業も興味を示さないので、そうした国際共同治験をやって、例えばケース1の窓口となるなどが考えられる」と橋爪教授は抱負を語る。既に、北里大学の熊谷雄二治験管理センター長や韓国の大学とも治験推進での協力について話し合いを進めているという。 九州大学の「先端医療イノベーションセンター」は、経済産業省の「産業技術研究開発施設整備費補助金先端イノベーション拠点 整備事業」に採択された総額21億円のプロジェクトで、これまでに医療分野の企業約40社と来年度以降の製品開発の計画がまとまっているという。

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