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米人気TVドラマに登場した心室機能回復装置

米ABC局の人気テレビドラマ『グレイズ・アナトミー』に、現在、米国で臨床試験実施中の「心室機能回復装置(The Parachute、パラシュート)」が登場した。サンドラ・オー扮する女医クリスティーナ・ヤンが、この「パラシュート」を使って心臓外科手術をして話題になっている。「パラシュート」を導入した手術場面が登場したのは、先週木曜日のバレンタインデー・エピソード。番組放映前のニュース番組でも紹介された。

この「パラシュート」は、CardioKinetix社が開発したもので、まだ治験中のため一般には使用されていない。パラシュートのように心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画する区画装置で、心臓疾患、特にうっ血性心臓疾患を有する患者の治療に好適な、カテーテルを利用した非侵襲的な装置。心臓発作などで損傷した冠状動脈筋部分と心臓の健全で機能している部分を仕切ることでダメージを最小限に抑えることができる。装置はカテーテルを用いて心室に植え付けられ、体温によりパラシュートのように開く仕組みだ。これにより血液の流れが正常化し、心臓も元の機能を取り戻せるという。実際に今年の1月に、アーカンソー・ハート病院(米アーカンソー州)で、このパラシュートを利用した初の手術が実施されている。

先週放映分の撮影に際しては、治験責任医師であるケース・ウェスタン・リザーブ大学(米オハイオ州)ハリントン・ハート・ヴァスキュラー研究所のマルコ・コスタ博士が番組のロケに立ち会い正確性を期したという。「パラシュート」は既に欧州では3年半の治験結果から、その有効性が示されているが、アメリカの治験結果次第では、TV番組で紹介されたような手術が普及する日もそう遠くはないかもしれない。