J&J、中国で初となる医療分野のM&Aを発表

ヘルスケア製品最大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)は、今月初旬に中国のバイオケミカル企業Guangzhou Bioseal Biotech社(以下、Bioseal社)を買収すると発表した。Bioseal社は広州を本拠とする私企業で、術中の止血用製品などの製造販売を手がけている。中国に進出して25年になるJ&Jにとって医療技術分野での企業買収はこれが初めてとなる。Biosealは今後、止血製品を既に中国で製造しているJ&J傘下のEthicon社と緊密に連携を取っていく予定という。

『医療設計と製造技術』の中国語版姉妹誌China Medical Device Manufacturer (CMDM)のHelen Zhangが、J&Jメディカル社のKaren Jiang医療部門・部長に、2012年5月2日に発表となったJ&Jの買収の詳細について聞いた。

 

CMDM:なぜ中国市場に進出して25年目に初の買収に至ったのでしょうか?

Karen Jian:  J&Jでは傘下企業のEthicon社が既に中国で止血製品の製造していますが、Bioseal社を買収することで現地のフィブリン封止剤マーケットにより迅速に参入できます。また、ワクチンなどの生物製剤を、弊社の提供製品群に加えることで、グローバルに医師や患者のニーズに応えていける点も利点です。

今回の買収により、新興国における止血関連製品の開発にも道筋が付けられると期待しています。中国SFDA(国家食品薬品監督管理局)の許可を得た製造工場を取得することで、生物製剤を製造する拠点をアジアに持つことができるので、そこベースにグローバルな市場に打って出られるのも利点です。

また、ヘルスケア分野で実績のあるJ&Jが、その強みを活かしながら、フィブリン封止剤という新たな接着分野にも事業展開できることも大きな魅力です。

CMDM: 今回の買収により、市場・産業・一般大衆はどのようなメリットがあるとお考えですか?

Karen Jian: Bioseal社を取得することで、Ethicon社が成長著しい中国に地場を築けるだけでなく、最先端の生物製剤を提供していくことが可能になります。同時に、新興国に対して新たな製品を提供することもできるようになります。

またマーケットを主導することで、全世界の手術を執行する医師のさまざまなニーズに応えるだけでなく、最先端の製品を提供することで手術のスタンダードを向上させることで、患者の方々にとってもより良い結果に結びつけられるのではないかと思っています。

CMDM: J&JとしてはBioseal社の現経営陣をそのまま維持される予定ですか?

Karen Jian: Bioseal社の統括マネージャーとしてJ&Jの品質管理・コンプライアンス部門の前バイスプレシデントDavid Liu氏が任命されています。もちろんBioseal社の現経営陣の中で優れた人材には引き続き経営に携わってもらう予定で、Bioseal社での経験の長いXing Huang氏は、副総括マネージャーとして残ってもらいます。