前途有望なモバイルヘルスケア市場

スマートフォンやタブレット端末向けの「医療・健康サポート」アプリ数は、現在4万にものぼると言われており、今後も著しい成長が期待されている。成長が見込まれるところにお金は集中するものだが、今年前半のデジタルヘルス向け投資額は前年同期比で73%アップの6億7千5百万ドルを記録したという。(米ロックヘルス社の調べ

 

サイエンティフィックアメリカン誌(2012年7月号)でも「有望なモバイルヘルス・アプリ」と題した記事を掲載し、血糖値やカロリー測定なの人気のモバイルヘルス・アプリを紹介している。今後はアプリがバイオメディカル研究にも利用され、ひいては研究成果が更に画期的なアプリの誕生を後押しする可能性があるとも指摘している。

一方、モバイルヘルス・アプリの進展には、ヘルスケア分野の研究者や技術者、ソフトウェア開発者が一丸となって新しい技術のリスク・ベネフィット評価を行える体制を構築することがポイントとなり、プライバシーとセキュリティーの問題も無視できない。

ヘルスモバイル・アプリの急増を受け、米国食品医薬品庁(FDA)は昨年、法規制の方向を打ち出し、ヘルスケアのモバイルアプリの開発業者に対して他の医療機器と同様にFDA承認を取得するようにガイドライン(原案)を策定している。

安全性やプライバシーの観点から一定の規制は必要だが、手続きと費用面がネックだ。米国連邦議会行政監査局の調べによると、FDAが新規の医療機器を承認するのに要する期間は約20ヶ月。承認を受けた既存の機器に酷似した製品の許可でも約6ヶ月を要しており、日進月歩で開発が進むアプリの世界に追いつけないとの批判も多い。また高額の申請費用も馬鹿にならないとUSA Today紙でも指摘している。

FDAは今年中に最終ガイドラインを発表する予定だ。アプリの開発業者は規制の必要性については十分に認識しているものの、FDAとは別に(米国家運輸安全委員会のように)モバイルヘルスケア専用の規制のフレームワークを立ち上げたほうが、スピード・フレキシビリティ・イノベーション面からも好ましいと指摘をするものもいる。

モバイルヘルスケア・アプリ市場規模は現在7万1千8百万ドルで、年末までには倍に拡大するとグローバルモバイルリサーチ会社Research2Guidanceは予想している。米国では昨年、92社のモバイルアプリ開発業者が少なくとも200万ドルの新規投資資金を獲得しており、今年も先週シカゴのValence Health社が3千万ドルを調達したニュースが飛び込んできたが、既に68社がアプリ向け新規投資資金の調達に成功しているという。