医療機器製造もオンショア回帰?

コスト削減のために中国など人件費の安い国で製品を製造する流れが変わりつつある。多くの医療機器メーカー、特に米国企業では自国に生産拠点を戻すケースが増えているという。先月、弊社では「最近の医療機器アウトソーシング傾向」に関するオンラインイベントを開催した。その中で特に注目を集めたのが「中国で医療機器のOEM生産」をする場合の問題点だった。(本セッションは登録制だがオンデマンドでも視聴できる)

中国の魅力の低下は、ブルームバーグ・ビジネスウィークで取り上げられている。「中国で製造?トラブル覚悟でもやる価値はない」という記事では、米Unilife社が、万能安全注射器の生産供給を中国に委託していたが、本社のあるペンシルベニア州ヨークに製造拠点を戻したと報告している。

同社は注射器の筒に患者の体から直接、パッシブ(自動)引込み式の速度を制御することができる注射器を製造している。人件費の安さから中国に製造を委託していたものの、厳格な米国食品医薬品局(FDA)の基準やコンプライアンスを満たすためのコストを考えると自国で生産したほうが有利との結論に達したと同社CEOのAlan Shortfall氏は語っている。

医療機器メーカー以外にも中国から生産拠点を撤退させる、あるいは中国へ進出しない企業が増えてきているという。主な理由は、品質不安とIP関連問題、そしてコスト面でも優位性が薄れている点が挙げられる。輸送費の高騰、中国との時差によるコミュニケーションの不便さもあり、このところ中国での生産メリットの低下が目立っているようだ。