2014/02/28
凸版印刷株式会社は、バイオマスプラスチックを使用した製品「BIOAXX(バイオアクス)」シリーズの新製品として、バイオマスポリエチレン(以下 バイオマスPE)を使用した医薬品向けの易開封パッケージを開発した。
本製品は、バイオマスPEを使用しながら易開封性を実現したラミネート包装材。具印刷基材となる最表面のPETフィルムのみにミシン目加工を施す技術を活用することにより、内側のバリア層に影響を与えることなく、開けやすいパッケージを開発。これにより、医薬品錠剤やカプセル剤などに使用されるPTP(Press Through Package)包装などの外装材として、手でまっすぐ開けられるバイオマスPEパッケージを実現している。
■開発の背景
バイオマスプラスチックは、植物由来の原料を用いた、持続的利用ができる再生可能資源だ。石油など化石資源の使用量を削減できるため、持続可能な社会形成に貢献できる。また、植物の生育時に大気中のCO2を吸収していること、および焼却しても焼却時のCO2発生量と植物生育時のCO2吸収量がプラスマイナスゼロとみなされることから、石油由来のプラスチックに比べてCO2排出量を削減することができる、環境に配慮した材料として注目されている。
凸版印刷は、「地球温暖化防止」および「石油使用量削減」に向けた取り組みの一つとして、1991年よりバイオマスプラスチックを使用した包装材の開発・商品化に取り組んでおり、2011年に厚さ100μm以上、翌2012年に厚さ40μm以下のバイオマスPEを使用したラミネート包装材を日本で初めて開発。食品やトイレタリー、医薬品など幅広い分野の軟包装材として展開している。
調剤薬局などの現場において、錠剤やカプセルなどのPTP包装を用いた医薬品は、薬剤師が外装パッケージからPTP包材を取り出して使用している。従来のPTP包材の外装パッケージは、切り口が中のPTPシートに引っかかってしまうことが多く、中身が取り出しにくいといった課題があった。今回、同社はPTP外装材にも対応した易開封性のあるバイオマスPEパッケージを開発し、環境に配慮した素材でありながら、厚みのある内容物でも開封性を向上を実現した。
■本製品の特長
・易開封性のあるバイオマスPEパッケージ
フィルムの材料構成を変えることなく、印刷基材である最表面にだけミシン目加工を実施。
PTP包装など、厚みのある内容物の外装材として使用しても易開封性のあるバイオマスPEパッケージを実現。
・10%以上のバイオマス比率
バイオマスPEの押し出し加工技術により、最低でも10%程度のバイオマス比率を確保。従来の石油由来製品を使用した場合と比較して約5%のCO2排出削減効果が得られる。
・従来品と同等の物性を保持
シール強度やラミネート強度など各種物性において、従来品と同程度の品質を保持している。
・メカニカルリサイクルPETフィルムの併用も可能
メカニカルリサイクルPETフィルムをバイオマスPEフィルムと併用することも可能です。
・「バイオマスプラマーク」や「PETボトルリサイクル推奨マーク」が使用可能
環境保全に配慮した製品として、「バイオマスプラマーク」や「PETボトルリサイクル推奨マーク*」の使用が可能。
*メカニカルリサイクルPETフィルムを使用した場合。
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バイオマスポリエチレンを使用した医薬品向け易開封パッケージのサンプル |
凸版印刷株式会社
- Miki Anzaiさんのブログ
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