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医療のトレンドをとらえポリマーの可能性を追求する

医療のトレンドをとらえポリマーの可能性を追求する

ByMedtec Japan編集部

ダイセル・エボニックでは医療機器向けに様々な高機能ポリマー材料を提供している。これまで生体適合性を確立しているナイロン12エラストマーであるVESTAMID® Careシリーズを、カテーテルチューブを中心とする医療機器向けに提供してきたが、最近多層チューブに成形可能な接着グレードも展開している。

内側をフッ素樹脂とし耐薬品性を高めた2層カテーテルチューブに応用可能だ。近年、抗がん剤をカテーテルで注入する治療法などで耐薬品性が求められており、高まるニーズに対応した。

また、本エラストマーを使うと同じ製品の中で硬度を様々に変えられることもメリットになる。先端を軟らかく、手元を硬くするといった設計のカテーテルチューブが可能になる。歯科分野では、硬すぎもせず柔らかすぎもしない微妙な硬度が要求されるノンクラスプデンチャーに応用されている。

透明ナイロン樹脂であるTROGAMID® Careシリーズは、透明でありながら微結晶性で耐薬品性の高い材料としてカテーテルハブ(右写真)や骨セメントのケースなどで使用されている。透明ながらレーザーエネルギーを吸収するグレードもあり、透明な素材同士のレーザー溶着やレーザーマーキングが可能。滅菌や化学物質に曝されても剥離しにくい直接ラベリングを行うことができる。

TROGAMID® Care は近年欧米を中心に懸念が高まっているビスフェノールAを含まない材料であり、今後ポリカーボネートなどの代替材料としても期待される。

VESTAMID® CareとTROGAMID® Careのいずれもオートクレーブやガンマ線、EtO滅菌に対応。USPクラスⅥ、ISO 10993(-5、-10、-11)試験で生体適合性が確認されている。

また、同社では引き続き「インプラントはプラスチックへ」をスローガンにポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の提案も行っている。注力しているのは(1)植込み機器、(2)歯科(左写真)、(3)手術器具の分野。

植込み機器では、アレルギーから医療事故につながるおそれがあるため金属の使用には疑念がつきまとう。同社では恒久的な植込み機器でPEEKの可能性を追求しており、代表例としては腰椎・頚椎ヘルニアに対する手術で用いるスペーサーに応用されている。

歯科分野では、患者から取得した3Dデータを使って、型を用いずに直接PEEK材料を切削して義歯を作製する方法が海外では導入されはじめている。軽量で金属アレルギーの心配のない義歯を、より少ないプロセスで簡便に作製できる方法として期待される。

また外科全般では、術中MRIなどを活用した低侵襲手術へのトレンドがあり、非磁性の手術器具への期待は高い。滅菌にも強いPEEKは手術器具の非磁性材料としても注目されており、血管クリップや結束バンドなど一時的に体内で使用する器具にも使えるのではないかと検討されている。

加えてPEEKは3Dプリンティング材料としても使用でき、植込みの補綴用材料としてテーラーメード医療での使用も期待される。

同社は2012年以来Medtec Japanで医療機器材料として各種ポリマーの提案を行ってきた。今回も上記のようなメリットの提案を行うとともに、潜在的ニーズの探求を続けたいという。

■ Medtec Japan 2017 ブース番号:1312

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