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着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする素材

着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする素材

図1:シルク表面をPEDOT-PSSで均一にコーティングすることで、柔軟性・導電性・生体適合性を損なうことなく、十分な引張強度を与え耐水性・加工性の課題を解決。

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする素材の作製に成功した。シルクや合成繊維の表面に導電性高分子のひとつであるPEDOT-PSSをコーティングすることで素肌に優しい導電性複合素材にした。


従来の医療用電極では、電解質ペーストを使用し素肌に粘着させて計測していたが、本素材を用いたウエアラブル電極では、柔軟性・親水 性・強度に優れており、炎症や不快感等が生じにくく素肌になじみやすい特徴を持っている。電解質ペーストなしで従来とほぼ変わらない安定した信号の計測が可能という。

 

図2:PEDOT-PSSをコーティングした布を電極としてシャツに配置することで、着衣だけで心拍・心電図の計測が可能。装着者に負担をかけず、24時間以上のモニタリングが可能となる。

健常者10名を対象に本素材を用いたシャツの装着試験および安全性確認試験を実施した結果、接触性皮膚炎(かぶれ)などが発生することなく24時間以上の連続使用に対して安定な心拍計測・心電図計測を確認した。

本成果は、着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングが可能となることを示しており、基礎研究や将来の医療分野での応用だけでなく、スポーツ・健康増進等の様々なシーンでの活用が期待される。

今後は、100人規模を対象とした装着試験にて安全性や有効性の更なる検証を行う。

また、大学の医学部等と連携し患者の負担が少ない心電図の長期測定およびモニタリング、基礎研究や在宅医療・遠隔医療等の医療分野への応用を検討する予定。

患者の負担が少ない医学検査や治療サポート技術、 健康増進に最適なスポーツウエアの適用などの検討もおこなっていく。

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