ダイアフラムとシリコンナノワイヤを結合した小型圧力センサ

(画像提供:A*STAR Institute of Microelectronics

石油採掘やロボット駆動外科手術まで、多様な用途においてマイクロマシンシステム(MEMS)圧力センサの改良が必要とされている。

しかしながら、MEMSの微小化に伴いセンサの高度な安定性と感度を達成するのは難しくなる。シンガポールと韓国の研究チームは、主要部材である安定したダイアフラムを高感度のシリコンナノワイヤと結合した小型センサを生産することにより、この技術的難関を打破した。

 

原則的に、小型圧力センサの設計は簡単である。圧力で変形するダイアフラムを作成し、次にシリコンナノワイヤなど、圧力によって電気抵抗が変化する材料で作られたピエゾ抵抗器を埋め込む。しかしながら、実際には、回路設計や非常に不安定な部材などの問題によって、商業的に役に立つセンサの開発が往々にして困難となっている。

3つの形態のシリコンを組み合わせて最適化することによって、シンガポールのMicroelectronicsのA*STARマイクロエレクトロニクス研究所のLiang Lou氏を含む研究チームは、操作上の堅牢性を備えたMEMS圧力センサの開発に成功し、ロボット外科手術における使用に有望であることを示した。ダイアフラムはピエゾ抵抗器の小さい圧力変化を伝達できると同時に、変形と破損に耐えることができなければならないため、材料の選定が重要である。

当初、研究チームは、その圧力に対する感度のため二酸化珪素を使用すること考えていた。 しかし、圧力がなくても歪みや捩れが非常に生じやすい傾向があるため、この有益な特性が相殺されてしまう。そこで、研究者らは中間に圧電抵抗シリコンナノワイヤを埋め込んだ二層の二酸化ケイ素を使用し、その上に窒化ケイ素の安定化層を配置することでこれを解決した。

窒化ケイ素を下にエッチングして、シリコンナノワイヤの厚さと処理を変えることで、チームは最適の組み合わせを見つけるに至った。得られたセンサは、高感度の医療機器に所望される、圧力を受けたときの電気的出力の線形変化を提供すると同時に、変形と機械的な破壊にも耐えることができた。

「窒化ケイ素は内部応力が高いため、ダイアフラム構造の平坦さ、測定範囲の大きさ、および防水性を改善できる」と、Lou氏は言う。「シリコンナノワイヤを多層ダイアフラムに組み込んだ先駆的なデモンストレーションは、高感度を損なうことなくセンサを小型化することを可能にする」(Lou氏)。

Lou氏によると、現在チームは埋め込み可能な小型医療機器を実現することを主な目標としているが、この目標は回路研究における進歩とヒトに使用する前の大規模な試験に依存している。研究者がこの目標を達成したら、このセンサはより多くの将来的なシリコンナノワイヤに基づくセンサ設計の道を開くことができるだろう。

 

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