通信用レーザ技術を応用した医療用の最速波長掃引光源

NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)と浜松ホトニクス株式会社は、医療用画像検査機器として臨床応用が進む光干渉断層計(Optical Coherence Tomography: OCT)に用いる1.3マイクロメートル(以下μm)帯の波長掃引光源を共同開発した。

 

 

本製品は、日本電信電話株式会社(以下NTT)が通信用に開発した電気光学結晶KTN(タンタル酸ニオブ酸カリウム、KTa1-xNbxO3)の製造技術と、その結晶を用いた高速波長可変レーザー技術を応用し、NTT-ATがOCT用の波長掃引光源として製品化したもの。従来比で2倍となる200kHzの波長掃引速度を実現しており、OCT診断において患者の身体的負担の軽減につながる。

<技術のポイント>

(1)高速・高精細画像撮影を実現

従来の製品で高速波長掃引を実現しているMEMSミラーは、微小ではあるが可動部分を持つため、100kHzを超える高速化には制約がある。本製品に用いた高速KTN光偏向素子は可動部がなく光偏向は電気光学効果によるため、MEMSミラーに比べ、大幅な高速化が可能(2006年5月18日、NTT報道発表)で、200kHzの動作を実現している。

これにより診断時間を半分に減らすことが可能で、瞬時の撮影が可能となる。また、同じ時間では2倍の画像撮影が可能であり、この画像を積算することにより、ノイズの少ない高精細画像を得ることが可能となる。例えば、水平方向解像度4000点の高精細画像も1秒間に50フレーム(50fps)取得できる。本光源を導入したOCTシステムでは、高速性を活用することで生体の3次元画像が高分解能で取得できる。

 

(2) KTN光偏向素子を用いた高性能波長掃引光源の製品化

波長掃引光源は、リットマン-メトカフ(Littman-Metcalf)型と呼ばれる外部共振器型のレーザー構成を採用している。このレーザーの中に、高効率の回折格子とKTN光偏向素子を配置しコンパクトな構造として最適化することで、高速動作に加え、広い波長掃引幅、十分なコヒーレンス長を実現している。

 

NTT-ATと浜松ホトニクスは共同で、同製品を開発用光源としてOCTシステムメーカーへ販売していく。また、両社は、眼底検査OCTで普及が期待される1.05μm帯の光源をはじめとするラインナップ拡充や光源性能の向上に向けた共同開発を、1年を目途に進めていくという。さらに、高品質なOCT画像データ取得を可能とする高速光検出器や2次元掃引ミラーと組み合わせた製品開発も進める。

 

NTTアドバンステクノロジ株式会社

東京都新宿区

www.ntt-at.co.jp

 

浜松ホトニクス株式会社

静岡県浜松市

http://jp.hamamatsu.com/hamamatsu

カテゴリー: