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東京農工大とトクヤマ、高出力深紫外線LED開発

東京農工大とトクヤマ、高出力深紫外線LED開発

 

HVPE法AlN基板上に260 nm帯UV-C深紫外線LEDを作製。世界トップレベルの出力特性を確認した。(画像提供:トクヤマ)

東京農工大学と株式会社トクヤマは、波長260nm帯(UV-C)の紫外線LED波長の深紫外線を出力で照射できるLED(発光ダイオード)の共同開発した。深紫外線は強い殺菌作用を持つことから医療や浄水、食品などの分野に利用されているが、光源には水銀ランプが大量に使われている。しかし、水銀は有毒物質のため、小型で高効率な省エネ代替光源として深紫外線LEDの開発が国内外で活発になっている。

今回開発した深紫外線LEDは、低圧水銀ランプに比べ小型で軽く、乾電池でも駆動できる低電圧が特徴で、交流電源も不要。高速応答で、寿命も約1万時間と低圧水銀ランプの約10倍長い。

高性能な深紫外線LED開発では、キーマテリアルである窒化アルミニウム(AlN)高品質単結晶基板の開発と深紫外線LED構造の作製という二つの大きな課題があった。これらの課題解決のため、東京農工大、トクヤマ、米国ノースカロライナ州立大学の研究グループ、米国 HexaTech社の四者で日米産学連携開発チームを作り、それぞれの有する技術的な強みを深紫外線LEDの実現に活かした。

東京農工大学の研究グループは、独自のハイドライド気相成長(HVPE)法で超高純度のAlN結晶を高速成長可能にする手法を確立し、農工大TLO株式会 社を通じ日米で基本特許を成立させた。ノースカロライナ州立大学、HexaTech社は、深紫外光が透過しないものの、低欠陥密度のAlNを成長可能な昇 華法で種結晶を作製する技術を確立した。

今回、昇華法で作製したAlN種結晶上にHVPE法で高速成長したAlNより、高い深紫外線透 過率と低欠陥密度が両立したAlN基板を世界で初めて実現した。トクヤマはHVPE法のライセンスを受け、本手法を量産技術として確立するとともに同基板 上に殺菌用途に最適な260nm帯(UV-C)紫外線LEDを作製し、高出力特性を確認した。

今後は、殺ウイルス、植物育成制御分野など様々な分野でクリーン、長寿命、小型、低消費エネルギーな深紫外線LEDの特徴を活かした新市場を創出を検討し、本年中にユーザー評価を開始し、2015年度までの事業化を目指すという。

本技術の詳細は、英文誌Applied Physics Express Vol.5(2012)に掲載された。

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