人工筋肉などへ応用可能な二酸化バナジウム利用のマイクロアクチュエータ

 

マイクロアクチュエータは、相転移温度付近での15℃の温度差でカールしたり伸びたりする(左図)。手のひらのような形状のアクチュエータはグーパーをするように開閉する。スケールバーは50μm (画像提供: バークレーラボ)

米国エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所(バークレーラボ)とカリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、二酸化バナジウムを利用したマイクロアクチュエータを開発した。

マイクロスケール(微小規模)の強固なアクチュエータで、指をくり曲げるように柔軟な動きができる。人の髪の毛よりも細いが、圧電材料を用いた従来のアクチュエータより大きな動きを実現でき、ヒトの筋細胞の1000倍程度という強い力を出せるという。マイクロ流体、薬物送達、人工筋肉などへの応用が期待される。

二酸化バナジウムは、強相関電子材料の一種で、相転移温度である67℃を境に電気特性や結晶構造が変化する性質がある。67℃より低い温度における二酸化バナジウムの結晶格子構造は単斜晶であるが、67℃を超えて温度が上がると、単斜晶の結晶格子構造はルチル型の正方晶に変化し、体積の収縮が起こる。こうした性質をいかし、今回のマイクロアクチュエータが開発された。

本成果は、2012年11月16日付けNano Lettersに掲載された。

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