東レ、環境に優しい生分解性微多孔フィルムを開発

東レ株式会社は生産性の高い乾式製造法で透湿・防水性を併せ持ちながら、生分解性のある微多孔ポリ乳酸フィルムを開発した。

代表的な生分解ポリマーとしてはポリ乳酸があるが、透湿・防水性を有するフィルムを製造するには、空気を通し水は通さない微細な孔(「貫通孔」)を発現させる必要があり、ポリ乳酸を用いた透湿・防水フィルムは、高コストの溶媒を用いた湿式法での開発報告例があるのみで、生産性の高い乾式法での製造は、技術的に困難とされていた。

今回、東レは長年培ってきたフィルム製造技術に、独自の高分子技術、粒子分散技術を融合させることにより、乾式法による「貫通孔」を有した生分解性微多孔ポリ乳酸フィルムの創出に成功した。

紙おむつ・生理用品などの生活資材向けに大きく拡大が期待できる新素材として、2014年までに生産技術の確立を目指す。

透湿・防水性を有すポリ乳酸フィルムを得るには、微細粒子をポリマー中に高濃度・高分散した状態で適正な延伸を行い、一つ一つの孔をつなげて貫通孔を作ることがポイント。東レは独自の高分子技術により、微細粒子と相互作用するユニットとポリ乳酸と相互作用するユニットからなる新規ポリマーを精密合成し、この新規ポリマーを微細粒子と共にポリ乳酸中へ混練することで、ポリ乳酸中に微細粒子を高濃度かつ、単分散させることを可能とした。

こうして得られた微細粒子高濃度含有ポリ乳酸を、同社のフィルム製造技術を用いて、単分散状態を維持したままフィルム成型し、微細孔同士を連結することで乾式法での貫通孔形成を実現した。この技術は、微細粒子、新規ポリマー、フィルム製造条件などを選ぶことで、目的とする貫通孔の孔径、密度を制御することができるため、透湿・防水性能を提供することが可能となる。

今回開発した微多孔ポリ乳酸フィルムは、構成する全てのポリマーが生分解性を有するとともに、バイオマス性が高いため、持続可能な循環型社会の発展に向けての貢献に寄与するものと期待される。

 

東レ株式会社

東京都中央区

www.toray.co.jp

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