身体に密着可能な伸縮性電極を開発

患者の身体に医療モニタリング機器を装着し、もしその患者に異変があれば医師にすぐにデータを送信できるようなシステムが完成する日も近いかもしれない。ノースウェスタン大学マコーミック工学院の研究者らが、多孔質ポリマーと液体金属を組み合わせることで既存の伸縮性電極より4倍も伸縮・屈曲する「高伸縮性次世代フレキシブル電子素子」技術を開発した。

 

「エレクトロニクスは、今の技術である程度伸縮性があるものの、医療機器への応用を考えたとき、ゴムのような伸縮性が求められている」と語るのは本研究チームのYonggang Huangマコーミック大教授。本研究は韓国科学技術院、米イリノイ大学、と中国の大連理工大学との共同研究。「今回開発した電子素子技術を用いれば、人間の身体に統合できるような医療機器の開発も夢ではなくなってきた」(Huang教授)

伸縮性電極の開発にあたっては、伝導性をいかに保持するかが課題だったという。市販の固体金属で作った電気回路では100%以内の変形限界があり、伸縮状態で変形により伝導性が減少してしまうため、研究チームは3次元ナノパターニング技術を用いて1×1インチの面積に10マイクロン程度の厚さをもつ3次元整列ナノ気孔構造を製造。このナノ気孔構造をもとに気孔に弾性重合体を浸透させたのちテンプレートを除去、3次元伸縮性ナノ素材を製造した。こうして製作された3次元ナノネットワーク素材の内部に液体状の伝導性物質を浸透させて高伸縮性フレキシブル電極を開発したという。「多孔質ポリマーに液体金属を混合させることで、200%の伸縮性を達成した。この技術を使えば、ゴム輪のような電極が可能となる」(Huang教授)。

本研究成果“Three-dimensional Nanonetworks for Giant Stretchability in Dielectrics and Conductors,” はネイチャーコミュニケーション誌2012年6月26日付けに発表された。

 

 

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