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「光渦」レーザーで極細らせん金属針の作製に成功

「光渦」レーザーで極細らせん金属針の作製に成功

走査型電子線顕微鏡を通した金属突起(針)の画像(米科学誌Nano Letters提供)

千葉大大学院融合科学研究科尾松孝茂教授らの研究グループが、らせん状の極細金属針の作製に成功した。針の先端部は曲率半径で30nm程度、直径でも100nm以下の極小針で、らせん状の光の渦を照射する「光渦レーザー」を独自に開発して製造した。

痛みを伴わない皮下注射針などへの応用が期待される。

一本の針を作る作業時間は100ナノ秒以下(10-7秒)以下のため、「原理的には毎秒1万本でも10万本でも作れる」(尾松教授)という。

レーザーに使った「光渦」は、伝播軸のまわりにらせん状に波面がねじれた光のことで、自然界には存在しない。光渦を人工的に発生させるには、一般的にはコンピューターで画像処理して作ったホログラムを用いるが、研究チームは光ファイバーで光渦を作る独自のレーザーシステムを開発した。

従来の技術で小さな針を作るには、真空中または不活性ガス雰囲気の中で金属線材を機械的に切断するなどの必要があったが、新技術は、大気がある室温下で製造できるという。化学薬品などを使わないため環境にも優しく、大量生産も可能なため、医療分野での応用も大いに期待される。

針には希少金属の「タンタル」を使用していたが、研究チームでは既にその他の素材でも一部実証済という。

今回の同大と北海道大学の共同研究成果は、2012年6月12日付けの米「ナノレターズ」誌の電子版に掲載された。

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