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薬事法の改正を検討、医療機器条項を別章立てに

薬事法の改正を検討、医療機器条項を別章立てに

医療分野の国際競争力強化策を検討する政府の「医療イノベーション会議」は、2012年度から5年間で取り組む施策を今月6日に策定した。この「5カ年戦略」の中で、現行の医薬品寄りの薬事法を改正し、「医薬品」と「医療機器」を別章立てにする方針が明記された。医療機器の承認・認証をめぐる国際的な時差「デバイス・ラグ」の解消や、中小企業など異業種の参入促進につなげていくねらい。来年の通常国会までに改正案提出を目指すとしている。

医療機器の開発や改良には現在、薬事法の規定に基づき医薬品並みの厳しい許認可制度が適用されている。医薬品と違い医療機器は、変化する医療現場のニーズへの対応や医師の使い勝手の向上などを目的に短期間で改良・改善を重ねるケースが多く、現行制度では改良された製品の市場導入に時間がかかり過ぎるという指摘があった。

日本医療機器産業連合会(以下、医機連)は、厚生労働省との間で毎年開催されている「医療機器・体外診断薬の薬事規制に関する定期意見交換会」等を通じ、以前より医療機器の特性に配慮した制度運用を実現するよう同省に幾多の要望を提出してきたものであるが、昨年1月より薬事法改正にむけた具体的な動きが出てきたことを受け、これを議論する厚労省の厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会(全10回)への参加を通じ、医療機器に係る各種の制度改正要望を提示してきた経緯がある。

今回の「医療イノベーション5カ年戦略」で明示された医療機器関連の法改正事項は、医機連が昨年7月に厚生労働大臣など政務三役に提出していた要望書の内容を反映したものになっており、業界側では歓迎ムードも広がっている。

「制度改正に対する医療機器業界の要望のうち、特に希望する声が大きかった『章立ての分離』や『後発医療機器等の審査に関する民間認証機関の活用』が基本方針として明示されたことは、従前にない大きい前進として評価できる」と医機連の要望書の作成に携わったサクラ精機株式会社グループ統括本部の飯田 隆太郎氏。

法律の改正を通じて、医療機器の特性を踏まえた規制制度の導入が実現すれば、審査の迅速化をはじめとして、医療イノベーションの推進を可能とする基盤も整うのではないかという期待も高まる。しかし、具体的な法案のとりまとめはまだまだこれからであり、議論の推移を見守っていく必要があるのは事実だ。

また、今回の方針に沿って薬事法改正が検討されるとしても、法案の提出は早くても次期通常国会であり、国会での承認から法律の制定・施行に至るには、早くてもあと数年はかかることが予想されるため、法改正を待たずにできる「運用の改善」は絶対に必要であると飯田氏は指摘する。

実際、今年の2月に発足した厚生労働省と医療機器業界団体(医機連、米国医療機器・IVD工業会欧州ビジネス協会)による「医療機器規制制度タスクフォース」では、制度運用の改善に向けた議論が継続して行われている。第一ステップとしては、「一部変更承認を不要とする範囲の拡大」と「外国製造業者認定に係る取り扱い」などを中心に検討が進められているが、今後は「5カ年戦略」で明示された法改正の基本方針等についても、このタスクフォースで確認が行われる予定であるという。

 

 

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