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マニー高井副社長、アジアでの拠点展開:MEDTECセミナーを前に

マニー高井副社長、アジアでの拠点展開:MEDTECセミナーを前に

手術用針などで世界トップクラスのシェアを持つマニー株式会社。手術用縫合針においては各国の医師から絶大な信頼・支持を受けている。栃木県が本社の同社は、「世界一の品質を世界の市場へ」というスピリットで、ベトナム、ミャンマー、ラオスに積極的に拠点展開をしている。

そのマニー社の執行役副社長CFOの髙井 壽秀が、MEDTEC Japan2012 」のセミナーで同社のアジア進出の背景と16年の軌跡について講演される。セミナー(4月18日、水曜、午前10:50-11:35)を直前に控え、色々とご意見を伺った。


 

1.御社は早い時期にベトナム、ミャンマー、ラオス拠点を選択され大成功を収められておられます。セミナーではアジア戦略における成功の秘訣も伺えるようですが、これからアジア進出を検討している企業が最も留意すべき点は何でしょうか?

高井氏:アジア展開の収実化はこれからですので、お世辞にも「大成功」などとは申せませんが、我々が留意したことは、世の中の「流行」に踊らされることなく、

①アジア展開の目的は何か(品質の確保?コストの削減?販路の確保?リスク分散?etc.) を特定し、

②自社のビジネスモデルに組み込んだ場合のフィットを得られる場所を進出地として選定することかと思います。 特に、①は

あれも、これもを狙うより、日本での独自の強味を補完する、もしくは更に強化できる機能は何か、どの立地かを絞り込むことが重要かと考えます。

2.今回のセミナーは医療機器の「イノベーション」と「法規制」が2大テーマとなっていいます。今後、日本発の「革新的医療機器」の開発・改良には何が最も重要とお考えですか?

高井氏:やはり、日本の医療の現場のニーズを最大限汲み上げる仕掛けが最重要かと思います。欧米発の医療機器ではなく、日本の患者、医師の声を汲み上げて作られた医療機器を速やかに流通させることができる法制や行政こそが日本の医療環境の競争力を増すものと考えます。

「イノベーション」を革新的先進医療技術や装 置物といった脚光を浴びる分野に限ることなく、普遍化した、あるいは普遍化しつつある医療・治療技術にも光を当て、医療機器そのものでのイノベーションを 考えていくことが重要と思います。

3.国際競争力をつけるという意味でも,医療機器の産業を発展させていくという観点からも,薬事承認の迅速化も課題となっています。これについてはどのようにお考えですか。

高井氏:医療技術の進歩と生命の尊重とは時としてトレードオフの関係にあることがあり、その国の文化や、置かれたステージに色濃く支配される問題であり、一概には論じられませんが、迅速な薬事承認は、本邦 における医療インフラの競争力、ひいては患者の幸福にとり、最も重要な要素の一つであると考えられることから、最優先でのリソース配分が行われて然るべき 領域と考えます。相応に改善されつつはあるものの、更なる承認期間の短縮化が望まれます。

4.現在、日本の医療機器業界が抱える一番の課題は何だとお考えですか?

高井氏:日本の医療機器メーカーは日本市場にややとらわれ過ぎていることかと思います。特に新興国市場においては、日本の患者・医師の要求特性に合致する日本発の医療機器は、欧米医療機器メーカーが強味とする治療方法・技術に関する先進性に由来する強味と比肩する強味を持つことに自信を持つべきではないかと思います。

5.早いもので東日本大震災から1年が経ってしまいました。今後の日本の医療機器業界はどうなっていくとお考えでしょうか?

高井氏:行政の対応にもよりますが、個別の医療機器メーカーは、我が国の高い医療技術の水準を梃に、日本という固有市場から抜け出し、アジアはじめ成長著しい新興国を主戦場としてと、欧米医療機器メーカーに伍していく力を発揮していくものと思います。

6.高井副社長様ご自身は、30年間投資銀行業務を中心に金融に携わられた後、2006年にマニー社に移られたとのことですが、御社の一番の魅力は何だったのでしょうか?  

高井氏:「モノづくり」に徹する人々のユニークなマネージメントを通じて産み出された「モノづくり」に最適の経営体そのものに魅力を感じました。また、オーナー企業でありながら、所謂「オーナー企業的な経営」を強く否定する経営姿勢や、絵空事としてではなく、言行一致で企業理念や世界一の品質を追求する経営姿勢や、それを愚直に実現していく経営者に感銘を受けました。

 

高井氏は、会議二日目(4月18日水曜日)の10時50分〜11時35分に、「医療機器メーカーのアジアにおける生産拠点展開」について講演をされます。

マニー株式会社が1996年のベトナム拠点進出の真の狙いは何だったのか?アジアでの製品の質を担保するためにはどのような努力をされたのか?セミナーでは、その背景を、同社の製品戦略やビジネスモデルと関連付けてご解説頂くだけでなく、同社の高利益率のメカニズムについてもご紹介頂く予定だ。


髙井 壽秀

マニー株式会社 執行役副社長CFO。10年の海外勤務を含め、30年間投資銀行業務を中心に金融業務に携われた後、2006年にマニー社へ。現在、同社の執行役副社長CFO(最高財務責任者);広報、IR、リスク管理、コンプライアンスをご担当されている。

 

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