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京大・阪大、外部電源不要の人工聴覚器機を開発

京大・阪大、外部電源不要の人工聴覚器機を開発

京都大学中川隆之 医学研究科講師(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)は、川野聡恭大阪大学大学院基礎工学研究科教授のグループと共同で、外部電源を要しない新しいタイプの人工聴覚器機(人工聴覚上皮)を開発した。
これまでの人工内耳では、外部の器機が音刺激を電気信号に変換し、内耳に挿入された電極を介して、聴神経を刺激する仕組みで聴覚再獲得がなされ、外部電源が 必要だったが、新しく開発された人工聴覚上皮は、振動刺激を電気信号に変換できる薄い膜からなり、自然に耳から入った音響刺激が内耳に挿入された人工聴覚上皮を振動させ、電圧を発生させ、聴覚が再生する仕組みとなっている。MEMS(Microelectromechanical systems)技術を用いている。

ただし、現在のところ発生できる電圧は、聴神経刺激には不十分であり、実用化には更なる改良が必要だ。難聴は聴覚の機能障害であり、感音性難聴は内耳 の(主に有毛細胞やラセン神経節)機能低下・障害により引き起こされる。特に感音性難聴は65歳以上人口の約5割に見られる不可逆的な疾患であり、超高齢化社会を迎える我国において切実な社会的問題であると言える。正常な内耳を模擬した周波数弁別能および音波−電気信号変換が可能な体外装置とバッテリーが不要の小型Stand alone型人工内耳への発展が期待される。

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