原子間力顕微鏡で細胞の機械的特性をリアルタイムに把握

原子間力顕微鏡による細胞の機械的特性の研究を3次元化した画像。(写真提供:パデユー大学/ Alexander Cartagena氏)

米パデュー大学と英オックスフォード大学の研究者らが、高性能の原子間力顕微鏡を使って細胞の機械的特性のリアルタイムでの観察に成功した。


従来の技術と比較して、このバージョンアップした信号処理技術を使用すると、約5倍スピードで高解析画像処理ができるという。本技術は、病気の診断や生体内作用などのより深い研究への応用が期待される。

細胞生物学における機械性の役割をよりよく理解するために有効とされるこの技術だが、物質への細胞接着研究や、細胞がどのように動き、変形するかなど、さまざまな状況の変化を捉える手段としても利用できる。また細胞が、癌を抑制する抗生物質や薬の影響下でどのような機械性特質を有するかの研究にも応用できるという。

パデュー大学の機械工学科のArvind Raman教授が同大のEmil Venere広報官に語ったところによると、この原子間力顕微鏡は、超極小の細胞組織の機械性特性を把握するのに最適という。例えば、「1つの細胞内の違う箇所について柔らかいのか、硬いのか、グニャグニャなのかといった機械性特質を見極めることができる」(Raman教授)という。「一番のポイントは兎に角、従来の手法よりもはるかに高速で高画質だという点だ」と教授は言う。ハイスピード・高解析度で測定ができるようになったからこそ、生きている細胞の動きをリアルタイムに捉えられるわけだ。今後は、こうした技術を利用したメカノバイオロジーに基づいた分析が可能になって、従来の生化学的アプローチを補完していくようになるかもしれない。

本研究成果は、Nature Nanotechnologyのオンラインで公開中。紙媒体の雑誌の12月号にも掲載される予定。

 

 

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