EBRシステムズとケンブリッジ・コンサルタンツが「無線ペースメーカー」を開発

ケンブリッジ コンサルタンツ社が米EBRシステムズ社と共同で無線ペースメーカーを開発した。この心刺激システム(WiCS)は、従来のリード線/電極のシステムを使用せずに心臓に刺激を与えることができ、既に複数の欧州の主要医療研究センターにおける臨床試験で埋め込みに成功しているという。無線データ通信の技術コンサルタント会社であるケンブリッジ コンサルタンツ社が発表した。

 

現在、心臓再同期医療法(CRT)で使用されているペースメーカーや除細動器は、右心室と左心室それぞれにリード線を挿入し、左右の心室に同時に電気を流している。そのため、3つの電極(リード線)が必要で、その内の1本は、右心房に合流している冠状静脈洞という心臓の表面を走っている冠状静脈の合流する静脈に挿入して、この冠状静脈の中にリード線を這わせながら左心室の表面を走る冠状静脈にリード線を挿入しこの静脈内に留置する。ペースメーカー・除細動器装置は、これらのリード線に接続するが、このリード線が鼓動を捉え、末端についている電極から電気的な刺激を提供する。この方法は、重症心不全に対するペースメーカー療法として実施されているが、手術に高い技術が要求されるため、失敗して感染症を引き起こしてしまうこともある。

今回開発されたWiCSは、極小のリード線無し(leadless)電極を心臓の左室にある標的の組織位置に埋め込むタイプのもので、環境発電マイクロエレクトロニクスの利点を活かして、上述のような問題を克服している。

WiCSの第一世代は、従来のペースメーカーや除細動器と併用して使用するタイプで、右室からペースメーカーの電気ペースパルスを感知し、パルス発生器が超音波パルスを埋め込んだ受信刺激器に伝える。その受信刺激器が、音響エネルギーを電機エネルギーに変換し、左室と右室を同時に刺激する。これによりCRTペースメーカーを使う複雑・困難な手術という方法ではなく、左心室の中からペーシングすることで、心臓のより自然な動きや機械的収縮パターンに類似した状況を作り出すことができる。

このようにWiCSは、今までの複雑なプロセスを回避して、時間短縮を実現するように設計されている。また、現在のCRT療法の技術レベルでは、残念ながら、まだ治療を受けられない患者にも適用できる可能性があるという。

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