医機連会長、震災への対応、H23年度の事業計画を発表

日本医療機器産業連合会(医機連)の荻野和郎会長は、3月11日に発生した東日本大震災により、緊急に必要とされる医療機器の確保、輸送、被災地内の医療機器への支援など、行政と連携して、連合会一丸となって復興への努力を続けることを表明した。 医機連が25日に開催した理事会で会長再任が決まった日本光電工業株式会社代表取締役会長の荻野氏は、理事会後の記者会見の冒頭で、大震災の犠牲者への哀悼の意と、被災者へのお見舞いを連合会の代表として述べ、被災者・被災地への緊急支援としては、人的・物的支援を個別に実施している大企業とは別に、独自で輸送ができない中小企業に対し、医機連として流通ルートを構築し、緊急便で医療機器を被災地に届けていることを明らかにした。 しかしながら、ガソリン不足、輪番計画停電の影響で、こうした被災地への救援活動に支障がでてきていることから、「生命維持に不可欠な医療機器製造業者への電力優先供給」の要請を17日付けで行政に対しおこない、今後も行政と連携し医療機器の安定供給をはかっていくと語った。 また、平成23度の医機連の活動は、今回の大震災を「国家的危機」と捉え引き続き救済活動に力をいれる一方、激しく変化するグローバル環境を念頭にしつつ、政府の「新成長戦略」の推進をバックアップするとともに、「薬事法」の改正を視野に以下の11項目の重要課題を掲げた。 【平成23年度事業計画の重点課題】 1.医機連が行った提言(平成22年4月)課題(① 研究開発の活性化に向けた制度の見直し,② 承認迅速化に向けた制度の見直し、③ イノベーションの評価)の実現を図る。特に、規制関係エキスパートを結集して薬事規制の見直し・改善に係わる活動の強化を図る。 2.医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)第4期(3年計画の最終年度)の活動テーマである4テーマについて医機連・関係委員会と連携を図り「戦略会議」において【①「革新的医療機器とレギュラトリーサイエンス」、②「医療機器の適正な評価」、③「未承認医療機器による臨床研究」、④「アジアとの連携・交流」】の検討結果を取り纏めて行政等への提言を行う。 3.産業政策会議「医療イノベーション推進部会」の活動を推進する。 平成23年1月に設置した内閣官房「医療イノベーション推進室」が検討する6つのワーキング・チームにメンバーとして参画して、産業活性化のために幅広い視点から提言を行いその具現化を図る。 4.急速に進むグローバル化(特にアジア)に対処する方策を検討すると共に、GHTF 次期議長国としての活動及びその他国際関係機関との連携、国際規格の検討、環境規制、各国規制情報の収集を行う。ただし、海外では今回の放射能事故に対する見方が厳しいため、次年度の日本での国際会議の開催はきわめて難しい状況との見方も明らかにした。 5.平成24年度診療報酬改定に向けて医療機器産業の成長の視点等を踏まえた検討を行い具現化を図る。 6.医療機器の品質・有効性・安全性を確保すると共に更なる市販後安全への取り組み強化を図る。 7.産業の成長課題として健康管理(予防)、在宅、ICT等への取組方針を策定する。 8.「医療機器の流通適正化」について関係加盟団体と医機連関係委員会との連携強化を図る。 9.医療のIT化に関し、医療機器本体及び包装へのバーコード(BC)表示の強化、MEDIS-DC医療機器DBの利用促進を図る。 10.「医療機器市民フォーラム」等を通じてより効果的な広報機能の充実を図る。 11.コンプライアンス及びプロモーションコードの更なる徹底を図る。 荻野会長は、特に医療機器産業界としては、デフレと円高という厳しい経済状況に今回の大震災を受け、予算の配分が見直される可能性は否定できず、「被災者支援が優先されるべきだと考えている一方、国民の生命を守る体制の強化も必要であり、医療イノベーション推進部会の活動も積極的に進めていきたい」と語った。 また、薬事法改正については、医療機器産業界の大きなテーマとして位置づけ、法改正にむけて加盟20団体の要望をとりまとめてタイミングをみながら行政に要望書を提出するという。