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複合金属発泡材料が将来膝蓋骨に

複合金属発泡材料が将来膝蓋骨に

外科インプラント用途に使用可能な複合金属発泡材料の例であるアルミニウム-スチール成型発泡材料と 3.7 および 1.4 mm スチール-スチール粉末冶金発泡材料の断面図。(クリックで拡大)

外科インプラント用途に使用可能な複合金属発泡材料の例であるアルミニウム-スチール成型発泡材料と 3.7 および 1.4 mm スチール-スチール粉末冶金発泡材料の断面図。(クリックで拡大)

ノースカロライナ州立大学(ノースカロライナ州ローリー、http://www.ncsu.edu/)の科学者たちは、将来外科および歯科インプラント用途において、損傷した骨の置換材料として機能させることを期待される新しい金属発泡材料を開発している。 By: Bob Michaels, managing editor, Medical Product Manufacturinig News Afsaneh Rabiei教授とノースカロライナ州立大学博士課程の元学生 Lakshmi Vendra 氏は、この材料の弾性係数が骨のそれと近いため、チタニウムなどのより堅いインプラント材料で生じやすい骨の拒絶反応を防げると考えている。 ノースカロライナ州立大学航空宇宙工学科准教授、および医療用生体工学部教授であるRabiei教授によると、固体金属より軽い複合金属発泡材料 (CMF) はさまざまな合金から作製することができるという。CMF は、金属マトリクスで形成された既成の中空球体(両方が同じ材料または 2 つの異なる材料から作られる)を使って作製される。中空球体の周りに溶融した金属を成型するか、球体を金属粉に混ぜて炉の中でそれらをベーキングすることによって製造する。CMF を鋳型で成型またはホットプレスするか、希望の形に機械加工することで、骨インプラント自体を製造することができるという。 「初めは、スチール-スチールとアルミニウム-スチールのバージョンを作ったが、現在は、チタニウム、コバルトクロム、およびその他金属またはそれらの組み合わせから複合金属発泡材料を作ることができる」とRabiei教授は語る。 複合発泡材料はその原料となるバルク金属より約 65% 軽量であると Rabiei教授は言う。「つまり、約 65% が多孔性であるということ。球体の直径と肉厚を制御することにより多孔性の割合を変えることができ、それにより、患者の年齢や骨の状態を考慮して、患者の骨の多孔性に合わせることができる」と教授は語る。 自然骨とインプラントの耐荷力を均等化するため、この材料は骨置換用途に適している。「インプラントが骨に移植されるとき、骨とインプラントは負荷を共に処理する必要がある」と Rabiei教授は解説する。「骨の弾性係数がインプラントのそれより低い場合、インプラントが骨の耐荷重機能を肩代わりし、その周囲の骨が死んでしまう」。応力遮蔽として知られているこの現象は、インプラントを緩めてしまい、最終的に不良を生じ、修正手術が必要となる。骨の弾性係数(圧力下で変形し、圧力が取り除かれると元の形状を回復する材料の性能の測定値)は 、10~30GPaであり、チタニウムの弾性係数は約100GPaである。対照的に、CMFの弾性係数は骨と一致している。 さらに、多孔性の軽量な材料は高いエネルギー吸収能力を示し、かつその粗い表面の中に骨が入り込んで成長を促進する。 医学的研究の主な目的は、オッセオインテグレーション特性を持つインプラントの開発である。ノースカロライナ州立大学の科学者たちの金属発泡材料は、骨がインプラントの空隙に入り込んで成長できるようにし、インプラントが骨によって固定されるようにすることで、この機能を実現する。「骨セメントと一緒にそれを使用しても、発泡材料の空隙とセメントが良好なインターロックを形成でるので、インプラントを骨に固定できる」と Rabiei教授は言う。 骨置換術の材料としての潜在的メリットに加え、CMF は体内外での使用向けの医療機器を含め、軽量で強い材料を必要とするあらゆる用途にも使用できる。 本記事は最初に Medical Product Manufacturing News, April 2010 に英語で掲載されました。 Copyright © 2010, Canon Communications LLC

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